紙 上 訓 練
康雲堂医院はインターネット上のヴァーチャル・クリニックである
次は紙上訓練だ。あるいは机上訓練。
問題集はこれ。
「外来診療ドリル.診断&マネジメント力を鍛える200問(松村真司/矢吹拓編集)」(医学書院、4200円+税)
これは手強い。結構、内容が難しい。
(あえて一言加えるとすれば、診断に際する画像が提示されないのが残念だ。)
正解するには中級以上の診療能力が必要だ。それも全般的な総合力が要求される。
ふつう教科書は症候(症状)あるいは病態、診断名から詳細な解説や記載が始まる。
実際の患者の多くは複数の症状を持つことが多いし、年齢や性別で診断のプロセスが異なるのが通例だ。
現実に患者を目の前にした場合、教科書やマニュアルだけでは対応できないことのほうが多い。
結果としてただの風邪かもしれないし、風邪は万病の素、始めはただの風邪が実は重い病気のはじまりかもしれないし、はたまた全く違う病気のこともある。
複雑系への柔軟性が問われるのだ。
柔軟な診療には知識と判断力が要求される。
あるいは条件反射的なひらめきが必要だ。
それには日頃から感度を上げておかないとならない。
感度と特異度。真実はあとから判明する。
つねに後医は前医より名医である!
罵られないように、マニュアル、教科書、問題集は再教育の三大柱であることを忘れないようにしよう。
昔取った杵柄をすっかり捨てて、初期研修にもどった気になって。
コツコツ、勉強部屋にこもって勉強しよう。
新しい酒は新しい袋に詰めよ!
この際だから勉強机も新調しよう。